従業員の健康管理は義務?具体的な取り組み内容と事例を紹介

日本では労働安全衛生法や労働契約法により、企業に従業員の健康を守る義務が課されています。しかし、それは単なる義務にとどま … 続きを読む 従業員の健康管理は義務?具体的な取り組み内容と事例を紹介


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日本では労働安全衛生法や労働契約法により、企業に従業員の健康を守る義務が課されています。しかし、それは単なる義務にとどまりません。メンタルヘルス不調の増加や少子高齢化による労働人口の減少が進む今、従業員の健康管理は企業の生産性やイメージ向上にも直結する戦略的な課題となっています。

この記事では、健康管理における具体的な取り組み内容に加え、健康経営企業として有名な国内企業の成功事例を紹介していきたいと思います。

目次

従業員の健康管理は義務?

結論から申し上げると、企業は法的に従業員の健康管理に配慮する義務を負っています。

例えば、労働契約法第5条では従業員の「安全配慮義務」が明文化されており、労働安全衛生法でも健康保持増進のための措置が規定されています​。具体的には定期健康診断の実施が企業の義務とされ(労働安全衛生法第66条)、従業員が50人以上の場合は産業医の選任や衛生委員会の設置なども求められます​。

「健康問題は個人の問題」と捉える経営者もいるかもしれませんが、従業員の健康管理は人道的観点のみならず、企業の生産性確保や人材リスク管理の面からも重要です​。義務を果たすだけでなく、積極的に健康管理に取り組むことが、結果的に企業の発展に繋がると言えます。

従業員の健康管理が注目される理由

従業員の健康管理は、単に「社員の体調を守る」ためだけの取り組みではありません。

労働人口の減少やメンタルヘルス不調の増加など、現代の社会情勢に直結する問題を解決し、企業の持続的成長と社会的評価にも大きく関わってきます。ここでは、なぜこれほどまでに健康管理が注目されるようになったのか、下記3つに焦点を当てて解説します。

  • 労働人口減少と生産性向上の必要性
  • メンタルヘルス問題の深刻化
  • 健康経営銘柄など社会的評価の高まり

労働人口減少と生産性向上の必要性

日本では少子高齢化に伴い生産年齢人口の減少が深刻な課題となっています。

長期予測では、40年後の労働人口は現在より約4割も減少し、2020年の約6,404万人から2065年には3,946万人まで落ち込むとされています​。この労働力人口の縮小は企業の成長を制約するため、限られた人材で生産性を高める必要性が一層高まっています。

ゆえに労働力不足に対応するには、一人ひとりの従業員が心身ともに健康で最大限能力を発揮できる状態を維持することが重要であり、健康管理の充実によって従業員のパフォーマンスを引き出し、生産性低下を防ぐことが、労働人口減少時代の企業経営に不可欠と言えます。

メンタルヘルス問題の深刻化

現代の職場では従業員のメンタルヘルス問題も大きな課題となっています。

厚生労働省の調査によれば、「現在の仕事や職業生活で強い不安やストレスがある」と感じている労働者の割合は82.7%に上り、前年より増加して過去最高水準に達しています​。さらに、うつ病など精神障害による労災補償の請求件数も3,575件(前年度比+892件)と過去最多を更新しており、職場のメンタルヘルス問題が深刻化している実態は明らかとなっています​。

このような背景からも、企業は従業員のメンタルヘルス対策に本腰を入れる必要があります。ストレスチェック制度の義務化(後述)もその一環であり、組織的に心の健康をサポートし、安心して働ける環境作りに注力することが現代社会において求められています。

健康経営銘柄など社会的評価の高まり

近年「健康経営」の考え方が広く浸透しつつあり、従業員の健康に積極的に取り組む企業への社会的評価が高まっています​。

経済産業省は毎年「健康経営度調査」を実施し、その結果をもとに「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人(ホワイト500/ブライト500)」といった顕彰制度を設けています​。これらに選定されることは企業にとって付加価値となり、従業員・求職者・取引先・投資家などへアピールする絶好の機会となります​。

実際に健康経営銘柄に選ばれる企業は年々増えており、株式市場や世間から高い評価を得るケースが増加しています。また健康経営の推進は企業ブランディングの向上に繋がるため、競合との差別化や優秀な人材確保の戦略としても注目されています。

従業員の健康管理における取り組み内容

従業員の心身をケアし、生産性や企業価値を向上させるためには様々なアプローチが必要です。ここでは企業が取り組みやすい施策を中心に、具体的な取り組み内容について紹介します。

  • 長時間労働の是正
  • 定期健康診断と健康データの活用
  • ストレスチェック制度の導入
  • カウンセリング制度の導入
  • 管理職研修の実施
  • 職場環境の改善
  • フィットネス支援の実施
  • 健康的な食生活サポート
  • 睡眠改善サポート
  • 禁煙支援プログラムの実施

長時間労働の是正

長時間労働を是正することは健康管理の最優先事項の一つです。慢性的な長時間労働は過労死や健康障害のリスクを高めるため、企業は適正な労働時間管理を徹底しなければなりません。

厚生労働省の基準でも、時間外労働が「月100時間超」あるいは「2〜6カ月平均で月80時間超」となると健康障害のリスクが大幅に高まるとされています​。このため、勤務時間の上限管理(いわゆる残業時間規制)や「働き方改革関連法」による残業規制など、法的枠組みも導入されています。

長時間労働を是正するためには、まず労働時間の実態を把握することが出発点です。例えば、勤怠管理システムを導入して客観的に残業時間をモニタリングし、管理職が部下の働き過ぎを把握できるようにします​。その上で、定時退社日や計画有給取得制度の導入、リモートワークやフレックスタイム制度の活用による柔軟な働き方の推進など、具体的な施策を講じます​。

ある企業では残業が一定時間を超えると上長と人事にアラートが送られるシステムを導入しており、部署ごとにノー残業デーを設けるなどして労働時間短縮を図っており、またテレワーク活用で通勤時間を削減するなど、従業員の負担軽減にも努めています。

定期健康診断と健康データの活用

従業員の健康状態を把握する基本として、定期健康診断の実施が挙げられます。

「常時使用する労働者に対して年1回の定期健康診断を行う」ことは法律で義務付けられており​、企業はその結果を適切に管理・活用する責任があります。健康診断の結果は本人への通知はもちろん、必要に応じて産業医から意見を聴取し、作業配置の転換や労働時間の短縮といった措置が求められます​。

なお、健康診断で得られた健康データは、企業の健康管理戦略に活かすことができます。例えば、従業員全体の傾向を分析してメタボリックシンドローム予備軍の割合を把握し、該当者に生活習慣改善プログラムを案内するといったアプローチ。近年は健康診断結果やストレスチェック結果、勤怠データを一元管理するシステムも登場しており、データドリブンで効果的な健康施策を講じる企業が増えています​。

ある企業では、健診結果をデータベース化し社員ごとに健康スコアを算出、そのスコアに応じて産業医や保健師がフォロー面談を行っています。さらに集団分析により部署ごとの健康課題を洗い出し、職場単位での対策(例:食生活セミナーや運動習慣プログラム)を実施しています​。

ストレスチェック制度の導入

ストレスチェック制度はメンタルヘルス問題の予防策として、2015年の法改正で従業員50人以上の事業場に年1回の実施が義務化された制度です​。

この制度では、従業員が職場環境や自身の心理的負担についてのアンケートに回答し、その結果を集計・フィードバックすることでストレスの程度を見える化。本人が自分のストレス状態を客観的に知るとともに、組織としても集団的なストレス要因を把握し改善に繋げることが目的となっています​。

ある企業では、ストレスチェック結果を部署ごとに分析し、特にストレス値の高かった部署で業務量の調整や上司との面談を強化。さらに高ストレス者へは産業医面談を実施し、必要に応じて配置転換や休養指導など個別対応を取りました。その結果、翌年には高ストレス者の割合が大きく減少し、その後の社員アンケートでも「職場環境の改善が感じられるようになった」と声が上がったようです。

カウンセリング制度の導入

メンタルヘルスや健康相談の窓口(EAP:従業員支援プログラム)を設置し、カウンセリング制度を導入する企業も増えています。

カウンセリング制度の導入により、社員が一人で抱え込まず早めに相談できる風土を醸成できます。特にメンタル不調は周囲に言い出せず悪化してしまうケースも多いため、外部専門家による匿名相談が可能なEAPは有効です。

例えば、外部のカウンセリングサービス会社と契約し、24時間ホットラインやオンライン相談を提供する企業もあります。これにより、従業員は業務上のストレス、人間関係の悩み、プライベートの問題まで含め専門家の助言を得られ、早期に適切な対応策を講じることができます。

あるIT企業では、社内に臨床心理士資格を持つ産業カウンセラーを常駐させるとともに、外部EAP機関とも提携し24時間相談可能な体制を敷いています。これにより毎月一定数の社員が気軽に専門家へ相談を寄せており、「話を聞いてもらうだけで楽になった」といった声も上がっています。

管理職研修の実施

管理職向けの健康管理研修も重要な取り組みです。現場のマネージャー(上司)は日々部下と接する立場にあり、彼らが適切に対処できるかどうかで部下の健康状態は大きく左右されます。

研修ではラインケア(管理者による部下の健康ケア)の方法や、部下の異変に気付くポイント、ハラスメント防止、長時間労働の抑制方法などを教育します。厚労省もメンタルヘルス指針で「管理監督者によるケア」の重要性を示しており、多くの企業が新任管理職研修や定期研修でこのテーマを扱っています。

具体例として、ある企業では管理職に対するメンタルヘルス研修を年1回必須化しています。研修では産業医や心理の専門家が講師となり、メンタル不調の兆候の早期発見や声かけの方法、部下との面談の仕方をロールプレイを交えて指導しています。また別の製造業企業では、安全配慮義務や労働法上の留意点に関する研修を管理職全員に実施し、「社員の健康管理も管理職の責務」であることを周知しています。

職場環境の改善

職場の物理的・心理的環境を改善することも健康管理には欠かせません。

オフィスの温度・湿度・照明・換気など物理的環境の改善はもちろん、人間関係や業務の進め方など心理社会的な要素も含めた「働きやすい職場づくり」が求められます。休憩スペースを充実させたり、コミュニケーションを円滑にする施策を取り入れるなど、ウェルビーイングへの配慮は欠かせません。

大手IT企業ではオフィス改革の一環でリフレッシュルームを設置し、観葉植物やリラックスできる音楽を流すスペースを完備。別の企業ではビル内に仮眠室を設け、15分程度の昼寝を推奨したところ、午後の作業効率が向上したとの報告もあります​。

フィットネス支援の実施

従業員の運動不足を解消し体力づくりを促すために、フィットネス支援制度を設ける企業も多くなっています。

運動は生活習慣病予防やメンタルヘルス改善にも効果があり、企業が福利厚生として社員の運動をサポートすることは健康経営上有効です。代表的なものにスポーツジムの法人会員制度があり、企業契約で社員がジムを割引利用できるようにしたり、運動施設を無料で開放したり等が挙げられます。​

花王株式会社では、健康施策「花王GENKIプロジェクト」の一環で社員に歩数計を配布し、ウォーキングキャンペーンを実施しました​。目標歩数を達成した社員に表彰やインセンティブを与えたところ、参加者の平均歩数が向上し、健康意識の高まりが見られたと報告されています。

健康的な食生活サポート

社員の食生活を支援する施策も健康経営には欠かせません。食事は健康の基本であり、バランスの良い食習慣の促進は従業員の活力維持に直結します。

企業が取り組む施策として、まず社員食堂の充実があります。栄養士監修のヘルシーメニューを提供したり、カロリーや塩分を表示して健康意識を高めたりする工夫が効果的です。社員食堂がない場合でもヘルシー弁当の社内販売、オフィスグリコの設置などで手軽に健康的な食品を選べる環境を整えられます。​

あるIT企業では毎朝社員に無料の野菜ジュースを配布し、野菜摂取を促進。別の企業ではオフィス内に冷蔵庫を設置し、低カロリーで高タンパクなヨーグルトやプロテインドリンクを常備して自由に摂取できるようにしています。

睡眠改善サポート

良質な睡眠は心身のコンディション維持に不可欠ですが、仕事で忙しいビジネスパーソンほど睡眠不足に陥りがちです。

睡眠改善を支援する取り組みとして、睡眠セミナーの開催や睡眠計測デバイスの配布、昼休みの仮眠推奨といった方法がありますが、中でもユニークなのが酸素カプセルの活用です。酸素カプセルは高気圧環境を作り出し体内への酸素供給量を増やす装置のことで、疲労回復や睡眠品質の向上が期待されています​。

例えば、PINCH HITTER JAPAN株式会社では健康経営の一環として社内に高気圧酸素カプセルを設置し、目や身体の疲れのリフレッシュ、肉体疲労の回復、集中力向上、睡眠不足の解消などの効果を狙いました​。実際に利用した社員からは「毎日の疲れが癒え、業務効率が向上した」との声も上がっています​。

禁煙支援プログラムの実施

喫煙習慣の改善(禁煙支援)も企業の健康管理施策として重視されています。

喫煙はガンや循環器疾患など健康リスクを高めるだけでなく、受動喫煙による周囲への悪影響もあり、企業として対策を講じる必要性が高い事案です。具体的には、社内を全面禁煙または分煙とする就業環境面の対策に加え、従業員への禁煙支援プログラムの提供、禁煙外来治療の費用補助などがあります。

ある商社では2008年から禁煙支援制度を導入し、禁煙外来費用負担や禁煙カウンセリングを提供した結果、従業員の禁煙率が導入前の30%から90%以上に上昇したとのこと。また、別の自動車メーカーでも類似のプログラムにより禁煙率を26%から70%以上に向上させています​。

従業員の健康管理がもたらす効果

従業員への健康投資は、結果として企業の業績やイメージにも良い影響をもたらします。働きやすい環境と充実した健康サポートを提供することで、生産性や社員のモチベーションが向上し、離職率の低下や企業ブランドの強化にも結び付きます。ここでは、その代表的な効果を下記3つの視点から解説します。

  • 労働生産性の向上
  • 離職率の低下と採用効果の向上
  • 企業ブランディングの向上

労働生産性の向上

従業員の健康管理にしっかりと取り組むことで、労働生産性の向上という明確な効果が得られます。

社員一人ひとりが心身ともに健康な状態で働ければ、集中力や仕事のパフォーマンスが高まり、アウトプットの質・量ともに向上します​。逆に体調不良やストレスを抱えたままでは本来の力を発揮できず、ミスの増加や作業効率低下を招きます。

健康経営に注力する企業ほど一人当たり付加価値が高いとの調査結果もあり、健康と生産性の関連性は明らかです。また欠勤や病欠など人員不足による生産性低下の防止、さらに社員のモチベーションが上がれば、自主的な業務改善や創造的アイデアの創出にも好影響を与える可能性があります。

これらを踏まえると、健康管理への投資は人的資本への投資であり、中長期的に見て企業の生産性と競争力を高める原動力となり得ます。

離職率の低下と採用効果の向上

健康的に働ける職場は従業員のロイヤリティを高め、結果として離職率の低下に繋がります。

社員が心身ともに調子よく働ける会社は「この会社で働き続けたい」という気持ちを醸成し、逆に過重労働や健康無配慮な会社からは人材が流出しがちです。実際に健康管理に熱心な企業では離職者数が減少したとの報告も多数あり、健康経営の取組みは定着率向上に大きく寄与すると言えます。

また、健康に配慮する企業であることは採用マーケティング上でも強みとなります。求職者、とりわけ若手世代は「ワークライフバランス」や「社員を大切にする企業文化」を重視する傾向にあります。健康経営優良法人に認定されるなど対外的な評価を得ていれば、「安心して働ける会社」というイメージが伝わり、優秀な人材を惹きつけやすくなります​。

企業ブランディングの向上

従業員の健康管理への取組みは、企業のブランドイメージ向上にも貢献します。

前述の健康経営銘柄や健康経営優良法人に選定されれば、「従業員想いのホワイト企業」として世間に認知され、企業価値が高まります​。これは単なるイメージアップに留まらず、株主や投資家、取引先からの信頼にも繋がります。近年ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の観点からも社員の健康管理は「社会」への取り組みの一部として評価対象となっており、健康経営を推進する企業は資金調達面でも有利になる可能性があります。

また、健康でいきいきと働く社員は顧客に対しても好印象を与えます。店舗や顧客対応の現場でも、社員が元気で笑顔でいられればサービス品質向上に繋がり、顧客満足度やリピート率の向上といった効果も期待できます。

従業員の健康管理を行う上での注意点

健康管理施策は企業と従業員の双方にメリットがある一方、導入・運用には注意点があります。

まず、プライバシー保護は最重要事項です。健康診断やストレスチェックの結果を扱う場合、個人情報が外部に漏れたり、人事評価に不当に利用されたりしないようセキュリティを徹底する必要があります。

また施策を強制しすぎると逆にストレスになる可能性もあるため、従業員の自主性を尊重することが大切です。トップダウンで取り組みを開始しても、現場との温度差があれば思うように浸透しません。社員の声に耳を傾け、ニーズに合った施策を柔軟に取り入れながら、定期的に効果検証と改善を重ねることで、健康管理を組織文化として根付かせることができます。

従業員の健康管理における成功事例

健康管理に積極的な企業の事例を知ることは、自社の取り組みに活かせるヒントを得るうえで非常に有益です。ここでは下記の日本企業3社が実際に行っている施策や成果をご紹介します。

  • 伊藤忠商事株式会社
  • 花王株式会社
  • 株式会社サイバーエージェント

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事は商社業界でいち早く健康経営に本気で取り組んだ企業として有名です。

2013年10月には深夜残業を禁止し朝型勤務へシフトする制度を導入し、夜型の長時間労働体質から脱却する働き方改革を断行しました​。これは「20時以降の残業禁止」を打ち出した画期的な施策で、当時は大きな話題となりました。その後も2016年に「伊藤忠健康憲章」を制定し、「社員はかけがえのない経営資源であり、会社は社員の健康増進を積極的に支援する」と宣言して、組織として健康サポートする姿勢を明確にしています​。

伊藤忠の健康経営の特徴は、朝型勤務の徹底と睡眠への着目です。同社は朝型勤務をグループ会社にも拡大し、総労働時間の削減と健康増進に努めてきました​。さらに次なる重要施策として「睡眠」に注力しており、社員の睡眠の質・量が生産性向上に寄与すると考えて全社で睡眠改善に取り組んでいます​。

具体的には、2023年度に全社員を対象にストレスチェックの枠組みで睡眠状況の実態調査を行い、その結果に基づいて睡眠改善プログラムを実施しました​。併せて医療用の睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査も導入し、潜在的な睡眠障害を持つ社員のケアにも乗り出しています​。

こうした取り組みにより、伊藤忠は健康経営銘柄に複数回選定されるなど社外からの評価も高いです。実際、2024年の健康経営銘柄にも選定されており(通算9度目)、健康経営の先駆者として他社のモデルケースになっています。

花王株式会社

花王株式会社は、世間に「健康経営」という言葉が定着する以前から、先駆けて社員の健康増進に注力してきました​。

2008年には早くも「花王グループ健康宣言」を発表し、社員とその家族の健康が企業の成長の源泉であるとして支援を開始しています​。2017年には社内プロジェクト「花王GENKIプロジェクト」を立ち上げ、2020年には専門部署を設置するなど、全社横断で健康施策を推進する体制を整えました​。

花王の特徴は、自社の知見とデータを活用した科学的アプローチです。ヘルスケア事業での知見を社内健康づくりにも応用し、例えば「内臓脂肪減少プログラム」や「歩行力向上キャンペーン」など独自の健康増進活動(Kao GENKI Action)を展開しています​。

また、健康診断結果や高額医療費データを可視化して課題を洗い出し、健康保険組合と連携して対策を講じるデータヘルスの徹底でも知られています。こうした取り組みの結果、糖尿病等の重症化予防や高額医療費の抑制に成功し、一部では高額医療費件数を10%削減したとの報告もあります。

花王は健康経営銘柄に2015年の制度開始以来毎年選定され続けており、2023年度で通算10度目の選定という偉業を達成​。経産省と東証による健康経営銘柄10回選定は花王のみで、まさに健康経営のトップランナーとして評価を受けています。

株式会社サイバーエージェント

サイバーエージェントはIT業界の中でもユニークで充実した福利厚生・健康支援制度を持つ企業として知られており、「社員が最高のパフォーマンスを発揮できる環境づくり」が成長戦略の一部であると位置付け、若い社員の多いIT企業らしい柔軟な発想で健康管理に取り組んでいます。

具体的には、健康診断や予防接種の無料提供など基本的な医療サポートはもちろん、メンタルヘルス対策にも力を入れており、専門カウンセラーによる相談窓口を社内に設置しています。さらに、社員の体力づくり支援としてスポーツジムの法人会員制度を導入し、ジム利用補助を行っています。健康増進セミナーの開催など教育面でのサポートも行い、社員の健康意識向上にも努めています。

特徴的なのは、最先端のリフレッシュ設備をオフィス内に備えている点です。例えば、社内のリラクゼーションスペースに酸素カプセルを導入し、エンジニアやクリエイターが開発の合間に酸素カプセルで短時間休息を取れるようにしています。これにより集中力を維持しつつ疲労回復を図るユニークな試みです。

加えて、「休んでファイブ」と呼ばれるリフレッシュ休暇制度も導入しています。入社3年目以降の社員は毎年5日間連続の有給休暇(特別休暇)取得が認められ​、長期旅行や趣味の時間に充てることで心身をリフレッシュできるよう奨励しています。

これらの取り組みの結果、サイバーエージェントは社員満足度が高く、「働きがいのある会社」ランキングなどでも上位に選出されています。健康経営優良法人にも認定されており、若い社員が多いIT企業でも健康管理を重視することで定着率向上と採用競争力アップに成功した好例といえるでしょう。

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