オフィスに仮眠室を作るメリットは?その効果や作り方を徹底解説

オフィス環境の充実を図り、生産性や従業員満足度を高める手段として「仮眠室」を導入する企業が増えています。特にGoogleをはじめとした海外企業の事例を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

本記事では「オフィスに仮眠室を設置するメリット」をはじめ、仮眠室が注目される背景や事例、運用ルールの策定ポイントから仮眠室の具体的な作り方まで解説していきたいと思います。

目次

仮眠室とは?注目される背景


オフィス仮眠室とは、従業員が短時間の休息・仮眠を取るための専用スペースのことで、生産性・集中力・健康面などの向上に期待ができます。

特に長時間労働や睡眠不足が社会問題化している現代では、従業員のパフォーマンス維持が企業課題となっています。こういった背景から、GoogleやNASAをはじめとする海外企業が仮眠室をオフィス内に設置、結果として生産性の向上や離職率の低下が報告されました。

その後も海外企業の間で仮眠室を導入する企業が増え、その効果が実証されつつあることから、日本国内でもベンチャーから大手企業まで仮眠室を導入する企業が増え始めています。

Googleでの仮眠室の事例


写真:theguardian.com

Googleでは数種類の仮眠用ポッドをオフィス内に設置し、社員が自由に利用できる環境を整備しています。実際、従業員からは「体力が回復して午後の作業に集中できる」といった声も上がっている模様。

Googleをはじめ、多くのIT企業では「クリエイティブなアイデアを生み出すためには従業員のコンディション管理が欠かせない」と考えられています。このようなIT企業の先進事例は、仮眠室がイノベーションを支える重要な要素の一つであることを示しています。

仮眠室のメリット


オフィス仮眠室のメリットは次のとおりです。

  • 生産性向上
  • 健康面の改善
  • 従業員満足度の向上
  • 企業イメージの向上

生産性向上

短時間の仮眠は、従業員の集中力と作業効率を高め、生産性を向上させます。

疲労が蓄積すると思考力や判断力が低下しますが、15〜20分程度の仮眠を取るだけで脳をリフレッシュでき、業務の質を保てるようになります。

特に昼食後は眠気がピークに達しやすく集中力が低下しがちですが、仮眠を取ることで午後の作業効率やミスの発生率改善に期待できます。

健康面の改善

適度な仮眠は、従業員の精神的・身体的な健康促進にも効果があるとされています。

睡眠不足は生活習慣病やうつ症状の要因とされており、短い仮眠でも長期的な従業員の健康管理に役立ちます。ギリシャで行われた大規模疫学研究(Archives of Internal Medicine, 2007)によると「昼に15分以上の仮眠を取る人は、そうでない人に比べて心疾患のリスクが下がる」という結果が報告されています。

したがって、従業員のパフォーマンス維持という昨今の企業課題において、仮眠室の導入は従業員の身体的・精神的健康をサポートする手段として非常に有効と言えます。

従業員満足度の向上

仮眠室の導入は、従業員満足度の向上にも寄与する可能性があります。

働く環境が快適であるほど、従業員は企業に対してポジティブな感情を持ちやすくなります。実際に仮眠室を使用できることを福利厚生の一環としてアピールする企業も多く、その姿勢は従業員を大切に考える企業文化の象徴と言えます。

企業イメージの向上

従業員の健康に配慮する企業として、企業のブランディング向上にも繋がります。

社会全体で健康経営への関心が高まる中、仮眠室の設置はその姿勢を体現する上で具体的なアクションとなります。メディアやSNSで「社員が自由に仮眠できるオフィス」として取り上げられるケースもあることから、企業イメージが重要な採用活動などにも恩恵が得られる可能性があります。

仮眠室のデメリット


「運用ルール」や「設備」に考慮せず、ただ単に仮眠室を導入しただけでは、事業活動においてデメリットになる場合もあります。

例えば、利用時間の制限を設けなかったがゆえに長時間の睡眠を取る従業員が現れたり、それによって仮眠室が占領状態となり、利用できなくなった社員が不満を募らせる可能性があります。

その他にも防音対策を施さなかったり、仮眠室の配置に問題がある場合は執務エリアに雑音が漏れる可能性があり、結果的に他の従業員の集中力低下に繋がりかねません。

こうしたトラブルを予め認識し、適切なルールと対策を設けることが仮眠室導入における成功の鍵となります。

仮眠室の運用ルール策定のポイント

仮眠室の運用ルールを策定する際は、下記のポイントを意識しましょう。

  • 利用時間
  • 音量・音漏れ
  • 衛生面

利用時間

仮眠室の利用時間を明確にし、社員間で公平に利用できるルールを作ることが大切です。

長時間利用の放置は「居座り問題」に発展しやすく、当人の勤務態度の悪化はもちろん、他の従業員が仮眠室を利用できなくなり、全体的なロイヤリティ低下に繋がる可能性があります。

ルール内容としては「20分程度の利用を推奨」「1回あたりの利用は30分まで」など、具体的な時間を定めることが重要。適切な利用時間を設定し、多くの従業員が公平に利用できるようにしましょう。

音量・音漏れ

音の問題は利用者の睡眠の質を左右するだけなく、他の従業員の迷惑になることがあります。

仮眠室に防音壁を設けることが理想ではありますが、高額な初期費用が掛かるという点から、コストパフォーマンスに優れた吸音材や遮音カーテンを用いるという選択肢もあります。

また利用者自身にも「スマホはマナーモードにする」「会話を控える」「飲食禁止」といったマナーを徹底させ、利用者同士のストレスを最小化にしましょう。

衛生面

利用者が安心して仮眠室を利用する上で、衛生環境は非常に重要です。

布団やソファなどの寝具を共同利用する場合、清潔さや消毒面が不十分だと健康被害や不快感に繋がる恐れがあります。

シーツやクッションカバーを定期的に洗濯・交換することはもちろん、アルコールスプレー等の清掃器具を常備してセルフクリーニングを実施する、といった利用後のルールを設定するようにしましょう。

仮眠室を作る際のポイント

実際に仮眠室を導入する際、設計に関して考慮すべきポイントは下記のとおりです。

  • 仮眠室の位置・広さ
  • 照明の明るさ・色味
  • 空調管理・防音対策

仮眠室の位置・広さ

仮眠室の設置場所と広さは、利用率や満足度に直結する重要要素です。

特に執務エリアや会議室に隣接していると騒音や人の往来が気になりやすく、落ち着いた仮眠が難しくなります。部屋の広さに関しては共用スペースとなるため狭すぎると、利用が敬遠される恐れがあります。

なお、小規模オフィスなど仮眠室を別途用意することが難しい場合もあるかと思います。そういった場合は簡易的ではありますが、オフィスの奥まったスペースを利用し、パーティションでエリアを区切るといった方法でも仮眠室を設けることができます。

照明の明るさ・色味

照明の明るさや色味は、睡眠の質に大きな影響を与えます。

明るさについては、明るすぎると眠りにくく、逆に暗すぎると目覚めが悪くなるため、薄暗いと感じる程度がおすすめ。色味に関しては、一般的にオレンジ色の電球色はリラックス効果を促し、蛍光灯のような青白い昼白色は覚醒効果があるとされています。

また照明の種類は、シーリングライト(天井照明)だと光が直接目に入り込むため、間接照明が適しています。昨今は調光機能付きのLED間接照明が多数販売されており、予算や部屋の広さに応じて導入数を検討しましょう。

空調管理・防音対策

空調と騒音への対策は、快適な睡眠環境を実現する上で欠かせない要素です。

暑すぎる・寒すぎる・ジメジメしすぎ・乾燥しすぎといった、温度や湿度による不快感は外的要因ストレスに直結します。季節ごとに適切な空調設定を行うことはもちろん、サーキュレーターや空気清浄機を導入して室内の空気を循環させることも重要です。

防音対策に関しては本格的に行うと高額なリフォーム費用が掛かるため、予算と防音効果のトレードオフで考える必要があります。比較的リーズナブルなのが遮音カーテンであり、ある程度の予算がある場合は防音シートや吸音材の導入も検討してみましょう。

仮眠室に最適な設備

仮眠室の利用者が、実際に仮眠を取るために使用する設備によっても、その効果は変化します。具体的には次のような設備が仮眠室には最適です。

  • リクライニングソファ
  • 仮眠用ベッド
  • 酸素カプセル

リクライニングソファ

リクライニングソファは、コンパクトかつ手軽に仮眠スペースを作れるアイテムとして人気です。

一般的なベッドではスペースを占有してしまう場合、リクライニングソファであれば通常時はソファとして使用することができます。

省スペースでコストパフォーマンスも高いという点から、小規模オフィスあるいは初めて仮眠室を導入する際におすすめの選択肢と言えます。

仮眠用ベッド

仮眠用ベッドを設置すれば、短時間でも質の高い睡眠を確保しやすくなります。

小規模オフィスでも、エアマットレスや折りたたみベッド等であれば不要な時は収納が可能。省スペースかつ本格的な仮眠室を設ける場合は、カプセルベッドも選択肢の1つです。

カプセルベッド自体は狭いものの、完全な個室空間となるためストレスを受けにくい点がポイント。また、積み重ねも可能であることから、省スペース化にも適しています。

酸素カプセル

酸素カプセルは、リラックス効果と疲労回復効果が期待できる高度な仮眠設備です。

高濃度酸素環境で短時間横になることで、血中酸素濃度が高まり、疲労回復や集中力向上に寄与すると言われています。実際にアスリートの世界では試合後の疲労回復に用いられています。ビジネスシーンにおいてもその効果が期待されており、大手企業を中心に複数の導入事例があります。

リクライニングソファや仮眠ベッドに比べて高価な設備にはなりますが、レンタルによるリース契約も可能です。予算に余裕がある場合や、本格的な仮眠設備を整える際に有力な選択肢となります。

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