酸素カプセルで耳抜きを行う方法!耳抜きが苦手でも簡単にできる方法はある?

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そもそもなぜ耳が痛くなるのか?

耳抜きを行わずに酸素カプセルを利用すると、段々と耳が痛くなってきます。これは酸素カプセル内の気圧が変わるためで、飛行機で離着陸する際に起こる耳の痛みと同じ事象が起こっています。

気圧が変化すると、鼓膜の奥にある中耳が膨張・収縮することで体外との気圧バランスを調節しようとします。その際に痛みを感じることがあり、場合によっては中耳に炎症が起こってしまいます。

とくにアレルギー性鼻炎や風邪で鼻がつまった状態になっている方は、要注意です。体外との気圧バランスをうまく調節できず、中耳の炎症が起こりやすくなります。

鼻がつまっている方は、酸素カプセルを利用する前に治療を受けたり、鼻づまりを解消する薬で対策しておきましょう。

また、お酒を飲むなど、耳抜きをきちんと行えないような状態になる行為は避けてください。飲酒は、人によっては鼻がつまる原因にもなります。

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耳抜きの方法は大きくわけて3つ!

 

酸素カプセルを快適に利用するために、必ず事前に耳抜きの方法を覚えておきましょう。

ただし、気圧に変化のない通常の状態で練習すると、かえって中耳に炎症を起こしたり、難聴の遠因となってしまいます。エレベーターの中や、車・電車でトンネルを出入りする際のように、気圧の変化で耳の奥に違和感を覚える状況で行ってください。

耳抜きの方法は複数ありますが、ここでは代表的な3つの方法についてご紹介します。また、思ったように耳抜きできなかったときのために、簡単にできる対策方法もまとめました。

耳抜きがマスターできなかった方は、最後にご紹介する対策から試してみることをおすすめします。

【1】バルサルバ法

バルサルバ法は、耳抜きで最も一般的な方法のひとつです。スキューバダイビングを行う方や、飛行機に搭乗する方がよく利用しています。

  • ・鼻をつまみ、空気が出入りしないようにする
  • ・口を閉じる
  • ・鼻から息を吐くときのように空気を送り込む

方法は、この3ステップです。

ポイントは、鼻に空気を送る際はゆっくりと行うこと。急激に空気を送り込むと、中耳や周辺の器官にダメージを与え、その後は耳抜きができない状態になってしまうおそれがあります。

耳への負担を考えると、他の2方法のほうがおすすめですが、耳抜きができたか判断しにくかったり、コツをつかみにくかったりする方法でもあります。そのため、多くのダイビングスクールでは、覚えやすいこのバルサルバ法を指導しており、最も一般的なのです。

一方で、正しいバルサルバ法を行えていない(耳抜きが不十分な)方も少なくありません。バルサルバ法を練習する際は正しい方法を意識しつつ、耳の器官へダメージを与えないよう、鼻に送り込む空気の強さに注意してください。

【2】フレンツェル法

フレンツェル法は、少しコツを必要としますが、修得するとフリーハンドでできるようになります。バルサルバ法のような耳に負担をかけるリスクは少なく、安心して行えます。

ただし、多少のコツがいるため練習が必要です。バルサルバ法ができるようになった方は覚えやすく、中には自然に習得できる方もいます。

  • ・鼻をつまむ
  • ・舌の根(奥の部分)を持ち上げる

フレンツェル法の具体的な方法は、この2ステップのみです。舌の根を上顎につけるように持ち上げると、耳管へ空気が送り込まれます。

バルサルバ法に比べると簡単な方法ですが、だからこそ『中途半端にできたような状態』には注意しましょう。

他の耳抜き方法にも共通することですが、かすかに耳元で空気が抜けたような音がすると、きちんと耳抜きできていないにもかかわらず、耳抜きを終えてしまう方がいます。

実際は中途半端にしかできていない場合が多く、耳抜きができたと勘違いしたまま酸素カプセルで過ごすと、耳を傷める危険があります。

【3】トインビー法

「耳抜きをしなくても、飛行機やトンネルの中で耳が痛くなったことはない」という方は、実は無意識のうちに耳抜きができている可能性が考えられます。それが、このトインビー法です。

トインビー法もフレンツェル法と同じく、耳への負担が少ない耳抜きです。無意識にできる方がいるほど簡単な方法なので、他の耳抜きがうまく修得できない方は、トインビー法に挑戦してみましょう。

  • ・鼻をつまむ
  • ・そのままの状態でゆっくり唾を飲み込む

以上のように、方法は実に簡単です。唾を飲み込む動作が、自然と耳管を開いてくれます。

また、唾を飲み込む際に鼻から多少の空気が抜けようとしますが、鼻をつまんでおくことで鼻に流れる空気が耳管へ流れるため、耳抜きの状態となります。

耳抜き以外の方法

耳抜きの難しいところは、一度覚えてもしばらく耳抜きする機会がなければ、感覚を忘れてしまうこともある点です。

以前はできていたから、と油断せず、酸素カプセルに入る前に耳抜きできるかチェックしてみましょう。

耳抜きができるか不安な方や、ブランクがある方は、以下のような耳抜き以外にできる対策もおすすめです。

  • ・飴を舐める(酸素カプセルに入る前)
  • ・ガムを噛む(酸素カプセルに入る前)
  • ・あくびをする
  • ・耳栓をする

飴やガムを食べると、唾液が多く分泌されます。自然と唾液を飲み込むようになるため、耳抜きのひとつ『トインビー法』が行いやすくなります。唾液を多く出すような、酸っぱい味の商品を選ぶのがおすすめです。

ガムを噛むこと、あくびをすることは、顎を動かすため耳管を開放することにつながります。

ただし、顎を動かすことで耳抜きと同じような効果を得られるのは、ごく一部の方のみです。具体的なコツがあるわけでもないため、試してみて耳抜きができなかったときは、唾を飲み込むなど他の方法に変えてみましょう。

多少、お金をかけても良いのであれば、専用のアイテムを活用する手もあります。たとえば空港や一部のドラッグストア、旅行用品の販売店では、気圧の変化対策を目的とした耳栓が販売されています。

定期的な買い替えが必要ですが、耳抜きを修得するまでは、このようなアイテムで安全性を確保するのもおすすめです。

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酸素カプセル内の気圧は変更できる

酸素カプセルによって取り込める酸素の量を決めるのは、気圧の高さです。しかし、最初から無理して高い気圧を体験する必要はありません。

まずは低い気圧からはじめて、耳抜きをしっかりマスターしてから、徐々に気圧を上げていきましょう。

気圧の変化は、カプセルの内側で一時停止操作ができます。耳抜きがうまくできなかったときは、一度動作を停止させてから再度耳抜きを行ってください。

酸素カプセルは、1.1、1.2、1.3と、任意の高さに気圧を設定できるようになっています。また、気圧を変化させるスピードも「遅い」「普通」「早い」のうちから選べるため、はじめは体に優しい設定から試してみてください。

低い気圧設定でも、通常の呼吸よりは酸素をより多く取り込むことができます。

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まとめ

酸素カプセルは、気圧を変化させることで酸素を効率良く取り込めるようになっています。そのため、人によっては体内と体外の気圧の差で、耳に痛みを覚えることがあります。

耳に痛みが起こった状態で我慢してしまうと、中耳(耳の奥の器官)が炎症を起こし、難聴になりかねません。違和感を覚えたら、適度に耳抜きをして体内と体外の気圧の差を調節しましょう。

こちらでご紹介した方法の中には、簡単な対策もあります。耳抜きを思うようにできない場合は、簡単な対策から試してみてください。

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